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ブロッサム・ディアリーの思い出

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ブロッサム・ディアリーが亡くなられたそうだ。
享年84。
個人的に、もっとも好きな、もっとも多くのレコードを所有している、女性ジャズ・シンガーだ。

2003年4月のニューヨーク。
ヤンキースに移籍した松井秀喜が地元デビューを満塁本塁打で飾り、テレビではフセイン像が倒される映像が繰り返されていた。
マンハッタン・ミッドタウンのたしかレストランロウと呼ばれる辺り、エスニックレストランの店舗奥にある小さなライブスペース、Danny's Skylight Roomで彼女のライブを観た。
見た目は、品の良い普通のおばあちゃん。でも、何十年も前のレコードと何ら変わることない、あの声とあの雰囲気。不思議な感じだった。幸せなひとときだった。
サマータイムがその日から始まったことを知らずに、少し遅刻してしまったことが、今でも悔やまれる。
でも、そんな失敗も含めて、大切な思い出です。

ブルース・ウェバーの映画「トゥルーへの手紙 A LETTER TO TRUE」で、ブロッサム・ディアリーの音源が2曲使われている。
「Manhattan」が流れるシーンの、あのせつなさ。
「Try Your Wings」と共に展開される映像の、あのやさしさ。
それぞれ、あの映画の中で、もっとも美しくもっとも胸にせまる場面だ、とぼくは思う。
悲痛なだけのメッセージで埋もれてしまいそうになるあの作品を、彼女の声が救ったのだ。

Blossom Dearie(1924-2009)。
いわゆるジャズ・ジャイアンツと呼ばれる存在ではないと思うし、たぶん本人もそんなものになりたくはなかっただろう。
でも、最高のシンガーであり、素晴らしいピアニストです。大好きです。

遠い国から、ご冥福をお祈りいたします。

  • 2009年2月10日 21:57
  • Posted by: かえる

Comments:2

かおるん 2009年2月13日 09:57

そうでしたか。
しばらくCDラックに入ったままだったブロッサム・ディアリーが何故か急に聴きたくなって、今週はずっと彼女のCDをかけていました。今朝こちらのブログを訪れて訃報を知り、呼ばれたのかな、なんて思いました。

彼女の歌声を最初に聞いたのはライブアルバムで、その1曲目“Let's Go Where The Grass Is Greener”のチャーミングな歌声と、さほど広くないと思われる会場との密やかなやりとりにたちまち魅了され、繰り返し繰り返し聴きました。かえるさんはライブで生の声に出会っていらっしゃるのですね。うらやましいです。CDは90年頃に数枚買っただけですが、もしかえるさんおすすめのアルバムがあれば、ぜひ教えてください。しばし、彼女の歌声にひたりたいと思います。

こちらのブログは何かの折にふと出会い、以来ときどき訪れています。
私、浦和在住なので浦和ネタも楽しみにしているんです。

かえる 2009年2月13日 23:22

かおるんさん

はじめまして。
コメント、ありがとうございました。

何年か前までは相変わらずライブを続けていたはずなのに、しばらく前にホームページがなくなってしまったようなので、もしかして....とずっと気になっていたのですが、永眠されたことをこの日知り、個人的な追悼の意もこめて記事にいたしました。
ちょっと検索してみただけでも、土岐麻子さん(彼女のジャズカバーのアルバム、すごくイイですよ!!オススメします!!!)、サエキけんぞうさんなど、多くのアーティストが自らのブログでこのニュースに触れており、改めて多くの人に愛されていた存在なのだなぁと感じました。
かおるんさんも不思議な体験をされたようで.....そういうことってありますよね。

かおるんさんがはじめてお聴きになったのは、たぶん「Sweet Blossom Dearie」というアルバムですね。何枚かある彼女のライブアルバムはどれも魅力的です。おっしゃるように、あの歌声はもちろん、ちょっとしたジョークとかお客さんとのやりとりとかが(ぼくは外国語が苦手なので、正確には理解してませんけど)、すごくチャーミングで洗練されているんですよね。良い意味で、彼女は「偉大なジャズ・シンガー」ではなく「洗練されたキャバレー・シンガー」なのだとぼくは思うのですが、ライブ盤だとそういった魅力がストレートに伝わってくるからなのだと思います。
ぼく自身は、彼女の音楽をいつ?なぜ?何から?聴き始めたのかまったく覚えていないのですが、たぶんヴァーヴの名盤が低価格でCD化され、ノベルティグッズのプレゼント企画が盛んに行われていた時期に、(プレゼント欲しさに)たまたま手に取ったのがきっかけだったという気がします。ですから、おそらくかおるんさんと同じく1990年前後のことだったと思います。
仕事以外では唯一となる海外への旅で、彼女のライブを体験出来たことは、本当に幸せに思っています。せっかくなので、ブロッサム・ディアリー及びウディ・アレンのライブをN.Y.で観たことがある、というのは今でも何かの折には誇らしげに人に自慢することにしています。。。
ついでに言うと、ライブの際に、会場の一角でCDを手売りしていたブロッサムのお兄さん(弟だったかも)から、今や入手困難な最後の作品であるシングル「It's AllRight to Be Afraid(2003)」(N.Y.に生まれN.Y.を愛した彼女が、911の犠牲者に捧げた曲です)を購入したというのも、もうひとつの自慢です。
でも、どこから見ても普通のおばあちゃんなのに、往年の作品とまるで変わらないキュートな声とチャーミングな雰囲気なのには驚きました。ホントに、お聴きになられているライブアルバムそのままの感じでしたよ。

おすすめのアルバムは......う~ん難しい。。。
声の魅力を前提にすると、(1枚だけ出しているピアノ演奏のみのアルバム以外は)どれもイイですからね。
以下、あくまでも個人的な好みではありますが.......
まず、Verve Recordsから50年代にリリースされたアルバムは、やはりどれも素晴らしいですね。
具体的に言うと、「Blossom Dearie (1957) 」「Give Him the Ooh-La-La (1957) 」「Once Upon a Summertime (1958) 」「Blossom Dearie Sings Comden and Green(1959) 」。
いわゆる生粋のジャズファンにも(音楽スタイル的に)比較的受け入れられやすい上に、一般的にもそれらが代表作として知られているし、現在でも容易に入手可能です。また、彼女の作品は、ジャケットなどのアートワークに「これはちょっとどうなのよ......」というものも多いのですが、ヴァーヴ時代は、概ねその点も問題ありません。
その中で、あえて1作品選ぶとしたら、個人的には「Once Upon a Summertime 」かな。彼女の歌の魅力のひとつであるキュートな部分って、しっとりとしたバラードもいいのですが、グルーヴィーな曲でこそより輝く、という印象を個人的に持っています。そういう意味で、選曲的にツボをグイグイ押された感じなのです。
もしかおるんさんが、オーケストラを使ったゴージャスな演奏がお好みであれば、「May I Come In?(1964)」などもいいかもしれません。
自身のレーベルであるDaffodil Recordsを設立した前後から、彼女の音楽はよりクロスオーバーというかなんというか、ジャズというよりもスタイル的にはポップミュージックに接近していきます。この時代の作品は、人によって評価が分かれ、今や入手しにくいものも多いのですが、「1975: From The Meticulous to the Sublime(1975) 」などは完成度が高いと思いますし、ハーモニカでトゥーツ・シールマンス、ベースにロン・カーターが参加している「My New Celebrity is You (1976) 」なども個人的にはすごく好きです。タイトル曲もカッコイイし、サウンドの質感的にも、なんというかCoolなアルバムです。トゥーツや「Sweet Blossom Dearie」にも収録されている「PEEL ME A GRAPE」という曲が好き、という理由だったりもするのですが。
それから、もしお持ちでなかったらぜひ聴いていただきたいのが、彼女の最後のオリジナルアルバムとなった「Blossom's Planet (2000)」です。
彼女が書いた名曲(というか、ぼくが個人的にスゴク好きなんです)「Bye-Bye Country Boy」が入っているという点も大きいのですが(「Simply (1983) 」に収録されているのがオリジナルバージョンなのだと思いますが(たぶん)、個人的にはこちらのアレンジの方が好きです)、なんといっても内容的に彼女の音楽の多様な魅力がすべて詰まった集大成的な作品という気がするからです。
また、各楽曲のレコーディングがいつ行われたものなのかはわかりませんが、少なくてもリリース時にはすでに70歳を超えています。それなのに、声のかわいらしさに関して言えば、ヴァーヴ時代よりもむしろ増しているという気すらするという驚きの作品です。そんなアーティスト、たぶん他にはいないですからね。機会がありましたら、ぜひ!!!

浦和ネタ、その気になれば色々あるにはあるのですが、特にお店に関することなどはけっこう書き方が難しく、ブログで取り上げるのはなかなか勇気がいるのです。しかし、楽しみにしていてくださる方がいらっしゃるということは、とても励みになります。ありがとうございます。

ついつい長文になってしまい、失礼いたしました。
今後とも、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。

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