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峠は決定をしいるところだ。
「峠」 真壁仁
峠には決別のためのあかるい憂愁がながれている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする。
風景はそこで綴じあっているが
ひとつをうしなうことなしに
別個の風景にははいってゆけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
有名なこの詩は、いつどこで目にしても深く心に沁みますなあ。
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
「峠」 真壁仁
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちはかぎりなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
とりあえず本棚に積み重ねたままで未だに片付けていない書籍の束から何気なく手にして、しばらくフムフムと感じ入ってしまった、今日この頃。
たとえ行手がきまっていても
「峠」 真壁仁
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばならぬ。
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。
- 2011年6月26日 23:02
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